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ちょっとだけ高級な猫缶を買って猫の家(カテゴリー猫参照)に行った。
梅雨明けの真夏の日差しにじっとりどっぷり汗が吹き出すとても暑い日。
猫の家の裏に回って勝手口を開けると台所のイスの上で猫が丸くなっていた。
明かり取りの天窓をわずかに開けて猫だけの出入り口にしてある。そよそよと吹き抜ける風が涼しい。猫にとっては格好の昼寝ポイント。
猫缶をエサ皿(ただのカップ焼きそばのパック)にあけて静かに眠った猫を眺めていた。
やがてぼくは、にゃぁにゃぁにゃぁと人間用猫語で話しかけて猫の冷えた体を撫でた。
固くなった肉球を押したり、髭を引っ張ったり、猫耳に息を吹き込んで、冷たい体を撫でた。もう一度、にゃぁにゃぁにゃぁと人間用猫語で語りかけながらしばし立ちすくむ。
無性に煙草がすいたくなったので自販機でどこぞのメンソールを買ったけどあいにくとライターもマッチも持っていないし、もともと喫煙者でもないのだけれど。
この猫は夕飯どきに僕の膝の上に乗るのが好きだった。食卓に手を出すわけでもなく膝の上に乗ってきて、ご飯とかみそ汁とか漬け物をじっと眺めていた。食卓の風景が好きだったのかも知れないけれど。
ぼくはしばらく猫の家のソファーで無味な煙草をくわえてプラプラしたり、夏の空を眺めたり、眠った猫を膝にのせようか考えたり、ゆっくりと時間をかけて仏教とかキリスト教とか知ってる限りのいろんな祈りを呟いて裏庭に穴を掘って猫エサと煙草とそのすべてを埋めた。
僕は猫の家にもどり、もうここは猫の家でもないんだなと猫の家の天井を眺めてソファーに寝転んで目を閉じた。生憎と涙はでないのだ。

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